「想像力。その先に...」
「想像力は感謝につながる。感謝は人を豊かにする。」
知人である伊藤怜奈さんの言葉です。
最近、水島ゼミ取材班著『想像力欠如社会』という本を読みました。
この本は、上智大学教授でジャーナリストの水島宏明さんが彼のゼミで学生さんたちが作ったドキュメンタリーの取材レポートをまとめた本です。
水島先生は、以下のような問題を提起しています。
「日本社会は次第にギスギスしたものになっていないだろうか。職場や学校などの人間関係で競争主義や成果主義が横行し、他人の境遇を理解しようとせず、相手を蹴落とし、容赦ない罵声を浴びせて自らの利益だけを優先する風潮が強まっている。「他人の痛み」を見て見ぬふり。見ないどころかざまぁ見ろと舌を出す。「痛み」を共有しようとせず、むしろ本音をむき出して弱き人を叩いてののしる。そんな社会へと変貌していく断面があちこちで貌を覗かせている。…」
「世の中には何らかの「生きづらさ」を抱えた人たちが存在する。そうした人たちの「生きづらさ」を想像してみることだ。」
その通りだと思います。
他人に興味がない、
他人の気持ちを想像できない人が増えているような気がする。
きっと、他人の気持ちを考える必要がないと思っているのだろうし、
他人は、悲しんでいても、苦しんでいても、関係ない存在として映っているのだろうと思う。
社会学者の宮台真司さんは、
「仲間以外はみな風景」と評していたことと同様です。
「仲間」という定義も、変わってきている気がします。
「損得勘定から内発性へ」
今、「仲間」という意味は、
損得勘定をベースに考えた利益共有集団のことだったりします。
でも、本来の「仲間」は、
損得を乗り越えて、助けたいと思うような関係性だと思っています。
損はするけど、お互いに幸せにしたいと思いあえる関係。
理由はないけど、助けたいと思える関係。
それを気付かせてくれる一つのツールが「想像力」だと思います。
伊藤怜奈さんのレポートも掲載されていました。
とても魅力的なレポートだったので、
それについては、また次回。
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